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鹿島台地
【かしまだいち】


常陸台地の一部,県の南東部に分布する洪積台地。北北西から南東に弧状に横たわり,東西に狭く,南北に細長い。北は涸沼(ひぬま)および涸沼川・那珂川の沖積低地,東は鹿島灘に面する隆起砂浜海岸で単調な海岸線をなし,西は巴川・北浦・外浪逆浦(そとなさかうら)に面する。南部は鹿嶋市木滝付近で急に低くなり,沖積低地に移行する。標高は南部の鹿嶋市宮中で39.6m,北部の鉾田(ほこた)町付近で35mを示す。台地の東西断面は東高西低の緩やかな傾斜をなし,北浦側からの浸食谷が樹枝状に発逹している。隔絶的環境をなし,当地周辺は陸の孤島といわれた。気候的には鹿島灘・北浦に面しているため,海洋性の温暖な気候を呈し,年平均気温は鹿嶋市で水戸市より1°C前後高い。初霜も20日前後遅い。降水量は季節的には7~9月期の変動が大きく,そのうえ砂質土壌なので干害を受けやすい。そのため土地利用は甘藷・落花生・スイカなどの耐干性の作物が多かったが,工業整備持別地域に指定され,鹿島コンビナートができてからは施設園芸が盛んになった。鹿島スイカ・波崎ピーマンなどは走り物として有名。国道51号・124号,国鉄鹿島線(建設中)が主な交通路で,コンビナートの影響により南部の都市化が進んでいる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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