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久慈山地
【くじさんち】


県北部,阿武隈高地の南端に位置する山地。南北約35km・幅約10km。阿武隈高地の南端は,里川によって二分され,東は多賀山地,西は久慈山地とよばれる。久慈山地は西を久慈川の浸食谷,東を里川の浸食谷によって限られる。さらに山田川の断層谷により,東部を縦走する東金砂(ひがしかなさ)山地と西部を縦走する男体山地に二分される。東金砂山地は北部から佳老山(459.6m)・観音山(514.6m)・花立山(518.4m)・鍋足山(524m)・東金砂山(459.5m),南端には国見山(291.6m)がある。東西の幅は3km前後と狭長で,直線状をなす。標高が比較的高いため隔絶性が強く,交通不便で古くから村の境界をなしてきた。一方男体山地は男体山(653.9m)を主峰とする山地で,北部に生瀬(なませ)富士・月居(つきおれ)山・長福山,南部には武生(たきゆう)山などがあり,南端は標高200~100m前後の丘陵となる。久慈山地北部を東西に切る滝川には四度の滝として知られる袋田の滝がかかり,上流には浸食盆地の生瀬盆地がある。保内郷(ほないごう)地方と里川流域の交通は,滝川沿いの月居峠や猪ノ鼻峠を経て行われた。袋田の滝,月居山,奥久慈渓谷は代表的観光地で,奥久慈県立自然公園に指定され,新緑・紅葉の季節には行楽客でにぎわう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7036841