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国見山
【くにみやま】


久慈山地東列の東金砂山地南端に位置する山。標高291.67m。東側を久慈川の支流里川が南流し,河岸段丘が発達,西は源氏川が流れ,両河川の分水界をなす。主として花崗岩質の角セン岩から構成されている。地名の由来については,「新編常陸」に「昔奥州勢此山ニ登リ,宿陣ノ時,高山ナリトイヘドモ,古郷ヲ望見ルニ,ミヘズト云シ事アリテ,国見山ト名付シヨシ」という説と「奥州勢此山ニ陣取セシモノ,皆討レ,再ビ国ヲ見ザリシ故,名付タリト云,里俗ノ説ノ如クナレバ,国見ズ山ト名付シヲ,後ニ国見山ト改シモノナランカ」という説が載る。ほかに佐竹氏の領国が一望の下に眺められるのからきたともいわれる。山頂はなだらかな地形で眺望がよく,北部には山火事防止のための火防見張所があった。南東麓には水戸家累代の墓地のある瑞竜(ずいりゆう)山がある。かつては瑞竜山は東国見山または国見山ともよばれた。周辺は太田県立自然公園や奥久慈自然休養村に指定されている。南部の緩やかな起伏を利用して,昭和34年に常陸太田市増井町長尾地区にブドウ栽培を導入し,その後同市から水府・里美・金砂郷町地域にかけて巨峰ブドウを中心に観光ブドウ園が発達している。徳川光圀の隠居所であった西山荘を控え,国民年金保養センター「ときわ路」などの施設も設けられ観光地化が図られている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7036869