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神之池
【ごうのいけ】


神栖(かみす)町の中央部にある池。軽野(かるの)池・降野(こうの)池ともいい,業池とも書いた。湖水面積3.1km(^2),湖岸延長6.6kmの円形の淡水湖沼であったが,鹿島開発に伴い埋め立てられ,周辺約4kmの狭小な湖沼となった。埋立地は鹿島港の一部および工場用地として利用。古来,流海(ながれうみ)・浪逆浦(なさかうら)などの内海が外海と通じていた一部が,砂丘の発達や堆積作用によって封鎖されて形成された海跡湖。「風土記」に「郡の南廿里に浜の里あり。その東の松山の中に,一つの大きなる沼あり。寒田と謂ふ。四五里ばかりなり。鯉・鮒住めり」と見える。寒田の寒の音読と同音の神の字が名称の由来ともいわれる。また「利根川図志」には「鹿島の神の池なり。鹿島志に三里許南にあり。いと広大なる池にて,ふるくは安是湖(あぜのみづうみ)といへる是なり」と見える。天文11年3月15日の大宮司中臣則久寄進状によれば,「神野池下ゑ二町大なハ本」の田地が根本寺に寄進されている(根本寺文書/県史料中世Ⅱ)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7036997