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御前山
【ごぜんやま】


鶏足(とりあし)山塊北端に位置する山。標高186.0m。那珂川中流左岸の野口付近は第三紀層からなる。主に硬砂岩やチャートで構成されている。山頂には13世紀初期頃藤原時房が築城したと伝える城跡が残り,馬場・空濠・土塁跡などが残る。江戸期から水戸藩の御立(留山)として伐採が禁止されていたため,各種の植物が豊富に分布する。暖帯性植物のシイ・イズセンリョウ・カゴノキ・サカキ・カシ類,温帯性植物のコナラ・シデ類・ミズナラなどが混合林を形成する。昆虫類ではモンキアゲハ・ムカシトンボなどが棲息している。那珂川の清流に架かる那珂川大橋と御前山の風景は「常陸の嵐山」または「関東の嵐山」といわれ,流域は那珂ラインともいわれる。周辺は御前山県立自然公園に指定され,新緑や紅葉狩りの季節には行楽客でにぎわう。冬の雪景色も素晴しく,夏はキャンパーやアユの釣人も多い。青少年旅行村があり,対岸には国民宿舎御前山荘がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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