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佐白山
【さしろさん】


鶏足(とりあし)山塊南端に位置する山。標高182.1m。笠間盆地東部にあり,黒雲母花崗岩からなる。古くは佐志能山とも書いた。北部を涸沼(ひぬま)川が南西流し,笠間市街や仏頂山・国見山に囲まれた笠間盆地を望み,遠くには日光連山,筑波山塊を一望の下に見渡せる景勝の地である。山頂には笠間城跡と佐志能(さしの)神社がある。古くは,白雉2年創建と伝えられる佐白山正福寺もあった。中世笠間北部の八瓶(やつがめ)山麓に300人以上の僧侶を擁した布引山徳蔵寺があり,両寺の間に勢力争いが起き槍・刀をもって戦っている。笠間は佐白山頂の笠間城を中核に城下町・宿場町・門前町として発展した。佐志能神社は古くから山頂にあったが,笠間時朝により築城時に下市毛に移された。明治の廃城とともに佐白山頂に再び遷座した。笠間城の殿守櫓を改造したものといわれる。また頂上には交通事故の絶滅を願って,昭和50年に「身がわり観音」が祀られた。山腹を中心にツツジ・サクラが多く,笠間県立公園に指定されており,行楽客でにぎわう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7037300