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清水原
【しみずっぱら】


那珂町南部の五台地区にある原。標高30m前後で那珂台地の一部をなす。南側は段丘崖をなし,そこから広大な沖積平野が広がって,両者の境界付近を小場江用水が流れる。「水府志料」後台村の項に「秣野 拾七町歩余有。中台,東木倉,西木倉,豊喰等大方入会の地にして曠野也。都而清水原と云。府下の士此野に出て火矢,烽燧等の火術を学ぶ所とす」とある。徳川斉昭の時代には練兵場・射撃練習所であった。中台北部には明治末頃まで長さ200mの土塁があり鉄砲場とよばれていた。明治期には草刈入会地をめぐり,那珂川沖積低地の圷(あくつ)方の中河内(なかがち)・下国井・西木倉など5か村と台地上の野方(のがた)の東木倉・五台・豊喰(とよばみ)村など4か村との間に争いが起こり,明治14年に県知事に調停を申請したが解決まで数年を要した。これを清水原事件という。現在は水戸市の近郊地域として都市化が進み,高校や短期大学も進出し,文教地区を形成。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7037505