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十王坂
【じゅうおうざか】


多賀郡十王町伊師にある坂。十王川低地に接する海岸段丘崖に位置する。岩城相馬街道の旧道の坂道で,明治30年に日本鉄道磐城線(現国鉄常磐線)が開通し,海岸近くを新道(現国道6号)が通るようになると,取り残されて寂れた。明治20年の「多賀郡高萩村五ケ村連合戸長役場地誌」によると「多賀郡伊師村 等級三等国道……形状 通路直濶国道宮城県街道タリ 又南北ニ延長シテ一里許ノ並木アリ 其中央ニアルヲ小石川ト言村ノ両端ニ坂アリテ南ニアルヲ十王坂ト言北ニアルヲ石滝坂ト言共ニ本郡著名ノ巨坂タリ」とあり,また,伊師村に馬175匹・人力車12台が常備されたといい,鉄道開通前の街道の繁昌がしのばれる。現在は約3mの道路幅で,近辺の人々が利用しているが,字十王坂には十王坂温泉があって湯治客が訪れる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7037687