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高館山
【たかだてさん】


鷲ノ子(とりのこ)山塊の南部に位置する山。標高229.3m。鷲ノ子山塊を南北に浸食する那珂川の支流緒川左岸,緒川村と美和村との境界近くにある。南部に小瀬と大宮間の難所といわれた白岩(しらや)峠がある。小瀬の周囲は200~300mの山に囲まれ,耕地は少なく,集落は緒川およびその支流の狭い谷底平町に沿って発達している。この地域では明治9年の地租改正で地租軽減・延納に端を発した小瀬一揆が起きた。県へ嘆願に行くことになり竹槍・刃をもって小瀬・小舟・氷之沢・長田・長沢・小祝などの人々が加わり,小祝村に到着した時は800人余になった。小祝村戸長後藤賢方に出張して来ていた警官に諭され村に戻ったが,小祝村に集まった人は逮捕を恐れて高館山に一時身をひそめた。十万原に集合して県へ強訴する計画であったが,十万原の直前で士族や警官で編成された連合隊により襲撃され壊滅した。十万原から逃れて来た小舟・上小瀬・氷之沢の農民は高館に身を隠し,村々の様子をみて警官などの追撃の気配がないようなのでそれぞれの村に戻ったが,同年12月16日の真夜中に踏み込まれ逮捕されたという(小瀬一揆録)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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