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高天原
【たかまがはら】


鹿島神宮の東部,鹿島灘に面する原。古くは高間原とも書いた。標高30m前後で関東ローム層に覆われた鹿島台地の一部をなし,海岸より吹き上げられた砂が堆積する。周辺は平地林の松林や畑に利用されてきたが,現在は鹿島臨海工業地帯に進出した住友金属の社員寮などがある。那珂川河口右岸付近から鹿嶋市木滝付近までは関東ロームに覆われ鹿島台地をなしている。鹿島神宮付近で標高38~40m,それより東部に移行するに従って低くなり,高天原で30m,これを境にして13m前後と低くなる。海岸沿いは6~8mとなり小規模な新規海岸砂丘の発達がみられ,南部には鹿島砂丘がある。高天原は「天上の世界」の意味で,「風土記」香島郡条には「八百万(やおよろず)の神たちを高天の原に会集(つど)へたまひし時,諸祖神(かみるみかみるぎ),告(の)りたまひしく,今我が御孫(みま)の命の光宅(しら)さむ豊葦原(とよあしはら)の水穂の国とのりたまひき。高天の原より降(くだ)り来し大神のみ名を,香島の天の大神と称ふ」とあり,地名の由来と考えられる。「新編常陸」は「郡ノ東二三里ニ高松ノ原アリ,大海ノ流レ着ク砂ト貝ト,積リテ高キ丘ト成リ,松ノ林自ラ生レリ云々」として「高間原ハ高松原ノ省言ナルベシ」と述べている。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7038121