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丹下
【たんげ】


水戸市南西部に広がる原。丹下原ともいう。標高30m前後で東茨城台地の一部をなす。天保6年徳川斉昭はこの地に桜野牧を開設した。「新編常陸」によれば「コノ牧ハ烈公ノ天保年間ニ始メテ開キシ所ナリ,丹下原(コノ原ハ見川,河和田,小吹,萱場四ケ村ヲ云フ)ヲ一ノ牧,二ノ牧(一ノ牧坪数二十九万四千百二十三坪,二ノ牧ハ坪数六十九万八千五百四十七坪)」とある。丹下原には一ノ牧と二ノ牧が設けられ,三ノ牧は大戸原に設けられた。牧場建設によって入会地を取り上げられるなど周辺農村への影響は大きかったという。周囲は10km前後で規模は余り大きくなく,馬は最大限200頭に抑えられて増えた分は払い下げた。牛乳は医楽品として利用され(水戸市史),また「水府志料」には「水戸諸士火炮を試所なり」とある。第2次大戦後,引揚者をはじめとして入植者による開拓が行われ,急速に農地化された。現在北部には桜川団地・桜川西団地が建設されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7038277