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筑波山塊
【つくばさんかい】


八溝山地の南部で,筑波山を主峰とする山塊。北は国鉄水戸線沿いの谷に限られ,常総平野に向かってU字形に開く東西2列が半島状に突出している。南北23km・東西15km。東列の山地は北部から吾国山(518.2m)・難台山(553m)・愛宕山に続き,西列の山地は筑波山(875.9m)を主峰とし,北に加波山(709m),足尾山(627.5m)などがある。この半島状の山地に囲まれて柿岡盆地がある。この山塊は主に古生層に貫入した花崗岩から構成され,筑波山は花崗岩中の斑糲岩が突出し残丘となったもので,山麓や周辺に花崗岩や古生層がみられる。この花崗岩は鶏足(とりあし)山塊南部の稲田付近にみられる稲田型花崗岩に対して筑波型花崗岩といわれる。当山塊は八溝山地の中では,八溝山塊に続いて高度が高く,特に西列の山地は700~800mの高度のため東西交流を妨げてきた。そのため古くから鞍部をなす一本杉峠・湯袋峠・風返(かざかえし)峠・不動(ふどう)峠が大きな役割を果たしてきた。また石の露頭が各地にみられ,加波山西麓の真壁町は結晶の小さい良質な花崗岩(真壁石)の産地として知られ,石材加工場が集中している。筑波山は古来から信仰の山として知られ,関東一円に広い信仰圏をもつ。現在,この地域は水郷筑波国定公園に指定され,新緑・紅葉の季節を中心に観光客が訪れ,本県最大の観光地となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7038334