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筑波南条
【つくばなんじょう】


旧国名:常陸

(中世)鎌倉期に見える広域地名。常陸国筑波郡のうち。弘安田文に「同(筑波)南条粟野廿四丁五段大」「南条方穂庄九十一丁二段」と見え(税所文書/県史料中世Ⅰ),嘉元田文には「南条粟野」の記載はなく,「南条方穂庄 六十四丁四段半」とある(所三男氏所蔵文書)。平安後期,常陸平氏の勢力拡大が進行するなかで,12世紀初頭には筑波郡が南北両条に分かれたものと推定される。このうち筑波北条は常陸平氏本宗の支配下に置かれて所領化が進み,筑波南条は一族に分有させたと思われる。方穂郷を支配した方穂氏もその1つであった。方穂氏は鎌倉期を通じて御家人となっていたものと思われる。一方,方穂郷を含む筑波南条は平安末期には大部分が荘園化し,弘安田文ではわずかに「粟野廿四丁五段大」が公領として残るのみで,嘉元田文ではすでにほとんどが荘園化していた。このため,これ以降筑波南条という地域呼称は消失したものと思われる。現在のつくば市東部から土浦市北部にかけたあたりに比定される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7038340