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鶏足山塊
【とりあしさんかい】


八溝山地を構成する山塊の1つ。茨城・栃木県境を北東から南西に走り,北・東は那珂川の浸食谷,南は国鉄水戸線沿いの谷によって限られる。東西30km・南北20km。鶏足(けいそく)山(430.5m)を主峰とし,北部には花香月(はなかり)山(378.2m)・八瓶(やつかめ)山(344.5m),南部には国見山(391.7m)・仏頂山(430.9m)がある。また栃木県側には雨巻山(533.3m)・高峰(519.6m)がある。八溝山地を構成する山塊の中では最も低い。西部が400~500mと高く,東部は200m前後の緩やかな山地をなす。従って笠間地方と下野(しもつけ)南部地方を結ぶ交通路として峠が利用され,県境にある仏ノ山峠(193.6m)はその代表的なものである。南部は霞ケ浦に注ぐ桜川と涸沼(ひぬま)川により開析が進み,南の筑波山塊との間に東から笠間・羽黒・岩瀬盆地が発達している。南部は花崗岩が基盤になっており,良質な花崗岩の山地として知られる。特に稲田型花崗岩の産地として有名で,稲田御影石・稲田石と呼ばれ石材に利用されている。また風化した花崗岩が陶土として利用され笠間焼が発達。北部の那珂川の峡谷に面した御前山は地形が似ているところから常陸嵐山ともいわれ,御前山県立自然公園の域内で,新緑・紅葉の季節には行楽客でにぎわう。南部の佐白山を中心とする地域は笠間県立自然公園に指定されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7038564