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鷲ノ子山
【とりのこさん】


鷲ノ子山塊西端に位置する山。標高約460m。鷲ノ子山塊の主峰。「風土記」那賀郡の条に「西は新治(にいはり)の郡と下野(しもつけ)の国との堺なる大き山」とあり,当時は山名がなかったと思われる(新編常陸)。栃木と茨城の県境をなし,久慈川水系と那珂川水系の分水界でもある。山頂には大同2年創建と伝える鷲ノ子神社がある。祭神は天日鷲命であったが,天長5年病気が流行したので大己貴命・少彦名命を合祀したという。「水府志料」には「鷲子山 鷲子,小田野,矢又,大那地,富山の五村に跨る。良杉多し。杉,檜尤佳なり」とあり,木材の産地として知られる。かつては馬頭・烏山地方(栃木県)と美和・大宮・山方地方との交通は北部の烏帽子峠や緒川の谷筋に沿って行われたが,現在は南麓を国道293号が通る。珍しい植物としてはツクバネソウ・ウラジロ・イノデモドキ・イチョウラン・シュスラン・イヌブナなどがある。また周辺はイノシシの棲息地として知られる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7038570