100辞書・辞典一括検索

JLogos

8

鍋足山
【なべあしやま】


久慈山地東列の東金砂山地の北部に位置する山。鍋足山集塊岩層といわれ,男体山集塊岩層と同じ岩質からなる。標高524.0m。傾斜は西・南・東側とも急で,山田川と里川の分水界をなし,水府(すいふ)村と里美村の境界でもある。「新編常陸」には「多珂郡小中村ニアリ」と記されている。同書によれば,地名の由来は「山頂三ツニソバ立,一方ノ高所ヨリ又一方ノ高キ所マデニ三丁斗ヅゝモ間アリ,五六里ワキヨリ見ルニ,鍋ヲフセテ,足ノ三所ニアルガ如ク,三所ハ高ク,中クボミテ見ユル故,山号トスト云」とあり,「水府志料」には「聳へたる峰三ツありて鼎の三足に似たるにより名付く」とあるように,形状が3つの足のついた鍋をふせた形に類似することにちなむ。鍋足山の北部には500m前後の山々が続き,山田川と里川の浸食谷沿いの交通は猪ノ鼻峠による。南部には東金砂山に続く400m前後の山地が連なり,交通は折橋(里美村)と馬次(まじ)(水府村)を結ぶ北沢峠を経て行われてきた。鍋足山は大きな岩石が露出し,高鈴山などの多賀山地の山々や男体山,東・西金砂山,鹿島灘,遠く西には筑波山塊・日光連山を望める。山腹の四十八滝は山田川の水源の1つをなす。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7038785