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西金砂山
【にしかなさざん】


久慈山地西列男体山地南部に位置する山。標高412m。安山岩質の集塊岩からなる。山方町と金砂郷(かなさごう)町の境界寄りにあり,山田川と久慈川の分水界をなす。山田川の浸食谷沿いに位置するため,東部は急傾斜面をなし,西部は傾斜が緩やかで蜂須(金砂郷町),大草原(おおくさはら)・戸屋(山方町諸沢)などの集落が分布する。山田川の対岸に東金砂山があり,かつては同山は東山,西金砂山は西山とよばれた。山頂には西金砂神社があり,西金砂田楽舞が伝えられ,県無形民俗文化財に指定されている。源頼朝が治承4年当山中の金砂山城に立籠った佐竹秀義を攻めた金砂山合戦の古戦場跡としても知られる。天下野(けがの)からの登り道付近の合戦坂・横落などの地名はその名残といわれ,横落は佐竹氏が横に転げるように逃げたことにちなむといわれる。また文亀2年佐竹義舜と山入氏義の金砂山合戦も有名。生物学では,暖地性植物の分布境界をなすといわれる。またハクビシン(哺乳類)の捕獲第1号地として知られ,かつてはニホンザルも棲息した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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