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花園山
【はなぞのさん】


北茨城市西部,阿武隈高地南部(多賀山地)にある標高798mの山。隆起準平原の浸食残丘で,一帯は阿武隈変成岩帯にあたり,本県でも最古といわれる岩石が広く分布している。これらの岩石は御斉所・竹貫変成岩類とよばれ,緑石片岩・雲母片岩・片麻岩・石英片岩などを主とし,ところにより結晶質石灰岩の薄層を挟み小規模な鍾乳洞もある。西側1.5kmには栄蔵室山が続き,一般に地形はなだらかであるが,東側は花園川の浸食が進み急峻で花園渓谷として知られる景勝の地である。県名勝に指定されている七つ滝は花園神社から奥の院に向かって約2kmにある滝で,7段にわたって落瀑するところからこの名がある。また猿ケ城渓谷とよばれる急崖もみられる。付近一帯はアズマシャクナゲの群生地もあり,花園の地名の由来ともいわれる。山麓の花園神社は縁起によれば延暦14年に坂上田村麻呂により創建されたと伝えられる。例祭は5月5日。境内のコウヤマキ・大スギはともに県天然記念物に指定されている。この花園山一帯は花園花貫県立自然公園の一部をなし,春の新緑,秋の紅葉を訪れる人が多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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