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東茨城台地
【ひがしいばらきだいち】


常陸台地の一部,東茨城郡と西茨城郡の一部に分布する洪積台地。南北30km・東西25km。北は那珂川,南は涸沼(ひぬま)および涸沼川が流れ,東は那珂川・涸沼川の沖積低地,北西は鶏足(とりあし)山塊,西は筑波山塊に面する。中央部は浸食が進み樹枝状の谷が発達,西部・東部に台地面が広く分布する。標高は,西部の友部町付近で30m前後,内原町鯉淵付近で30m,水戸市赤塚付近40m,東端の茨城町中石崎北部で30m前後とあまり起伏のない平坦な地形をなす。那珂川と千波湖に注ぐ桜川の浸食谷に挾まれ,東部へ細長く突出した部分を上市(うわいち)台地とよぶこともある。水戸市はこの狭長な台地の東端に築かれた水戸城を中核にして発達した城下町が起源をなす。水戸市南部の千波には,第9代水戸藩主徳川斉昭が宇治から茶製師を招いて,藩内に茶の普及を図った御茶(おさ)園(御殿山)があるが,排水のよい地形を利用して天保6年に創設されたもの。また御茶園西部の丹下原・大戸原には馬の牧場を設けた。台地面は主に畑作地帯を形成,園部川・涸沼川・巴川・桜川の浸食谷は水田として利用されている。県政・経済の中心地水戸市を控え,常磐線・国道6号沿線の都市化が著しい。近年この台地を3つに地域区分する方法が一般的である。この方法では園部川と巴川に挾まれた台地を東茨城南部台地,涸沼と那珂川の間の台地を東茨城北部台地,両地域の間の台地を東茨城中部台地とよぶ。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7039250