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甕原
【みかのはら】


日立市南部にある原。標高20~65m前後で海岸段丘からなる。「風土記」久慈郡条に密筑の里の村の中にある浄き泉の「東と南とは海浜に臨む。……西と北とは山野を帯ぶ」とあるのは,甕原の一端を記したもの。古くは三日原・三箇原とも書いたという。「内藤義康歌集」には「常陸にも又みかの原いづみ河国こそかはれ名こそかはらね」とある。延元元年北畠顕家の上洛を阻止しようとする佐竹貞義の軍勢がこの地で激戦を展開し,那珂通辰が北畠顕家を助けて佐竹勢を破ったといわれる。この甕原合戦は万治2年に京都の学者西道智の書いた「太平記大全」にはじめてあらわれるもので,信憑性が問題になっている。また国鉄常磐線大甕駅北東部にはかつて円墳が6基あったので「六ツ名塚」とよんでいた。日立市は多賀山地と海に挾まれ,東西に狭いため市街は南北にのび,日立製作所大甕工場を中心に工場や住宅が密集している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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