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八瓶山
【やつがめさん】


鶏足(とりあし)山塊のほぼ中央部に位置する山。古くは引布山ともよんだ。北寄りに花香月(はなかり)山,西に鶏足山塊の主峰をなす鶏足(けいそく)山,南に国見山があり,それらの山々とともに栃木県側と本県側の河川との分水界をなす。岩根(水戸市)南部で那珂川に注ぐ藤井川の水源の一部。山頂には八瓶神社(祠)がある。「新編常陸」には「山険シク古木生茂リ,渓幽クシテ八方ニ谷アリ,峨々タル磐石ノ峙タル大山,実ニ神仏幽寂ニシテ,遠ク人郷ヲ隔,最淋シキ霊山ナリ,頂ニハ八瓶の旧跡アリテ……」と述べられ,八岐(やまた)の大蛇の伝説がある。かつては祠の後に大きな石があり,その陰には8つのカメを置いて常に水を蓄えておいたという。地名もこの伝説に由来すると思われる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7040128