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竜神山
【りゅうじんさん】


筑波山塊東列山地の南縁に位置する山。標高163.8m。古生層の粘板岩・雲母片岩からなる。稜線が南北に走り,新治(にいはり)郡東・南側は急傾斜。八郷町と石岡市の境界をなす。照光寺文書(正徳3年)に付属する地図には竜神山の山頂に向かって右側の谷は男竜,左側の谷は女竜となっており,男竜には村上佐志能神社,女竜には染谷佐志野神社が祀られている(石岡市史)。村上佐志野神社は男竜(おたつの)神とよばれ,五穀豊穣の神として信仰されていた。「新編常陸」の村上神社の項に「茨城郡村上ニアリ,土人竜神ト称ス,今新治郡ニ属シテ雄竜山ノ麓ニアリ,竜神社ト称ス……今世モシ炎旱ノコトアレバ,土人必コレヲ祈ルニ験アラザルコトナシト云」とあり,旱魃の時には村人がこの神に雨乞いすると霊験あらたかで雨に恵まれたという。地名の由来は,神の子の竜神を祀ったことにちなむと思われる。当初は標高209.6mであったが,高度経済成長期の昭和36年頃から南側で砕石の採掘が盛んに行われるようになったため,標高も低くなり,山体も大きく変容した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7040340