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いろは坂
【いろはざか】


日光市細尾町の馬返~中宮祠間の坂。国道120号の一部で,下り専用の第1いろは坂と上り専用の第2いろは坂の2つの有料道路の総称。両道路とも比高約400mの間をヘアピンカーブの連続で結ぶ山岳道路で,道路自体が日光名所の1つとなっている。有料道路としての公称は日本道路公団の管理する日光道路。坂名は,かつて馬返から男体山の南斜面を登りながら中宮祠に至る第1いろは坂の道路のカーブが48あったところから,いろは四十八文字にちなんでつけられた。第1いろは坂は,昭和29年旧道を改修・整備し,わが国2番目の有料道路として完成したもので,かつてはこの道路だけで48のカーブが指定され,いろは坂と呼ばれていた。昭和49年,第1いろは坂の交通渋滞を解消するため,馬返から茶の木平の中腹を巻き,明智平を経て中宮祠に至る第2いろは坂が開通してからは,再改修後の第1いろは坂の28カーブと第2いろは坂の20カーブを合わせて,いろは坂と呼ばれるようになった。各カーブにはいろは四十八文字の表示がされている。第1いろは坂は,日光開山以来,中禅寺や男体山(二荒山)への登拝路として用いられてきた歩道を昭和初期に自動車道路として改修したもので,今でも沿道には,女人堂・不動坂・地蔵坂などの信仰にちなむ地名や,徒歩時代に栄えた中の茶屋跡などが残る。昭和49年華厳渓谷の右岸に第2いろは坂が完成してからは,第1いろは坂が下り専用,第2いろは坂が上り専用の道路となっているが,ともに車窓から見る景観は雄大で道路公園の指定を受けている。なお,この道路の開通により,それまで中禅寺方面への観光客輸送の中心であった馬返~明智平間のケーブルカーは乗客が減少し,昭和45年営業を停止した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7040769