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雲竜渓谷
【うんりゅうけいこく】


日光市にある渓谷。日光女峰山と赤薙(あかなぎ)山などでつくられる旧火口に発する稲荷川の上流部にある渓谷をいう。女峰山(2,464m)から大谷(だいや)川の合流点の標高594mまで稲荷川の激流が急落下し,火山斜面を激しく下方浸食するため高さ100m以上もの急崖をつくり,日光有数の渓谷美を見せている。両岸が火山岩屑物で崩れやすく,特に厳寒期には巨大な氷柱と無比の氷壁をつくって壮観である。第2次大戦後,氷壁登攀地として有名になり,冬季登山者の挑戦場となった。渓谷は,東照宮東側の道路をさかのぼると,車で雲竜入口まで行ける。同所から渓谷に入り,上流約2kmは特に渓谷美に優れ,下から雲竜瀑・胎内滝・大岩滝・黒岩滝と続き,その上流部からはアカナ沢と七滝沢とに分かれる。近年,稲荷川の崩壊を防ぐため建設省により砂防工事が進み,下方浸食が止まったが,なお上流部では落石崩壊が続き入谷禁止地帯となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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