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唐御所横穴
【からのごしょよこあな】


古墳時代終末期の横穴。那須郡馬頭町和見に所在。国史跡。八溝山地西縁にある凝灰岩丘陵の露頭に掘り込んだ横穴群の1基。横穴群のある尾根は那珂川と小口川に挟まれた舌状地形で,尾根の西側に20数基からなる北向田横穴群,東側に同じく20数基からなる和見横穴群があり,当横穴は和見横穴群に含まれる。両横穴群はいずれも丘陵中腹から上に構築され,最も精緻で横穴群の主墓と思われる当横穴は最高所の丘陵鞍部近くにある。この横穴はほぼ南面して開口し,玄室・玄門・羨道・前庭部がよく残っている。横穴の全長は4.78mであるが,この前に長さ1.94m・先端幅3.8mの台形状の前庭がある。玄室は長さ2.75m,中央部までの幅2.34m,高さ1.9mで床面には棺台がある。棺台は奥壁正面に横位置で1つと,両側壁に沿って縦位置に2つの計3つが造り出されている。天井は中央に棟木を造り出し,左右に切妻屋根に似せた傾斜をつけている。羨門の左右には枘穴が掘り込まれ,閉塞材の嵌入に使用されたものであろう。当横穴は古墳時代終末期の7世紀代に構築されたものと思われる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7041477