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三波石峡
【さんばせききょう】


神流(かんな)川の峡谷。多野郡鬼石(おにし)町と埼玉県児玉郡神泉村の境に位置する。神流湖下久保ダムから下流1.5kmまでの石峡。川幅は25mから50mで,両側は高さ10m前後の断崖になっている。三波の名称は緑泥石の緑,緑れん石の黄,石英脈の白の3色に由来する説,石英脈の三波の波状に由来する説,さらに下流にある一番石・二番石・三番石の並び方に由来する説がある。峡谷には三波石と呼ばれる結晶片岩が奇岩・怪岩となって林立している。昭和32年には国天然記念物の指定を受けた。三波石は黄緑色で,石英脈が白い紋様をつくっており,近世初期から銘石として珍重されていた。三波石は明治21年に地質学者小藤文治郎が結晶片岩の研究に三波川(多野郡旧三波川村)を訪れ,三波川結晶片岩と命名してから世界的に周知されるようになった。周辺には三波石の採取販売業者が立地し,その数は550戸に達し,東日本では最大の庭石集散地になっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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