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鳴沢湖
【なるさわこ】


群馬郡箕郷(みさと)町にある群馬中部土地改良区(旧群馬中部用水)の灌漑用貯水池。榛名山麓を浸食する放射谷を長さ313m・高さ22mの土堰堤で締め切って建設された人造湖。榛名山南麓の河川は流量に乏しく,農業用水は不足する傾向にあった。そのため,中部用水計画が昭和11年に採択され,国庫補助による県営事業として,同13年に着工し,同25年に竣工。満水位標高196m,最大水深約18m,面積16.7ha,貯水量128万t,灌漑面積672ha。湖は白川(榛名白川)から灌漑期に毎秒0.12t,非灌漑期には毎秒0.14tの割合で取水しているが,群馬用水の完成後は榛名幹線末端の調整池の役も兼ね,水は群馬用水からも供給されている。湖からの幹線水路は標高180mの等高線沿いに東北東方向に榛名山南東麓を横断して,群馬町で染谷川に達している。したがって,湖の灌漑用水の受益地は白川-幹線水路-染谷川-国道17号-烏川で囲まれた範囲であり,箕郷町・群馬町・高崎市・前橋市に及んでいる。湖では,昭和30年に養鯉業が開始され,20万匹の鯉が蚕の蛹などを餌に養殖されている。また,マガモ・コガモ・オシドリなどの冬鳥の越冬池としても知られて,県内屈指の野鳥探勝地となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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