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八王子丘陵
【はちおうじきゅうりょう】


新田郡笠懸町・藪塚本町,桐生市,太田市にまたがる丘陵。長さ約15km・幅約5km。大間々扇状地の東側に位置し,渡良瀬川に沿って北西から南東に細長く分布する。足尾山地から分離した丘陵で,北西から鹿田山・茶臼山・金山の3丘陵に分けられる。鹿田山丘陵は比高が80m以下で,緩やかな地形をなす。丘陵の中心鹿田山(240m)は,西半分は大部分が畑地となり,東半部はアカマツの純林に覆われている。天神山もアカマツとヤマツツジの群落からなる。地質は古成層(琴平山・天神山)・金山流紋岩類(鹿田山)が分布する。琴平山(稲荷山の鞍部)には岩宿遺跡がある。茶臼山丘陵は,狭義には八王子丘陵とか八王子山系とかいわれる。茶臼山は標高296mで,八王子丘陵の最高峰で,山頂には防災無線や電波の中継塔がある。丘陵の北東部は古成層,茶臼山周辺は金山流紋岩類,南西部は藪塚凝灰岩・礫層などが分布する。藪塚凝灰岩は,明治中期から昭和20年代まで藪塚石として切り出され,家の土台・敷石・カマドなどに活用されていた。植生は,アカマツ・コナラ・クヌギなどの高木の中にガマズミ・ウツギ類・エゴノキ・ヤマツツジなどが見られる。草本では藪塚本町の町花になっている春蘭や,ヤブラン・スミレ類などがある。滝ノ入地区には県立東毛少年自然の家,湯之入には藪塚温泉・スネークセンター・三日月村がある。金山丘陵は,太田市街地の北にあるドーム状の丘陵で,金山(223m)を中心とする。地質は金山凝灰岩を中心に,古成層や礫層で構成される。植生はアカマツ・コナラ・ヒサカキ・ウツギ類など。丘陵の中心部には金山城跡・実の城跡があり,子育て呑竜として知られる大光院や新田神社がある。




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「角川日本地名大辞典」
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