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不二洞
【ふじどう】


多野郡上野村川和にある鍾乳洞。県天然記念物。秩父古生層の石灰岩中に生成され,東西約500m・南北約200mに及ぶ。洞内巡りは総延長2.2kmで,所要時間は約1時間。洞内には鍾乳石や石筍・石柱が林立し奇観を呈し,氷石・賽の河原・水穴・大天井・音楽堂・胎内潜り・生湯の滝などの名称がつけられている。洞内の常温は10℃前後で夏は涼しく,冬は暖かい。発見は1,200年ほど前であるが,世に広まるようになったのは400年ほど前からで,藤原山吉祥寺の初代和尚の中興開山上人が探検し,洞内45か所に仏にちなんだ名称を付け,修行の場とした。吉祥寺の6代和尚が疫病や天災などが二度と起こらないようにと,天台宗百巻経を石に書き入れ,洞内に納め祈願したことが名称の由来になっている。昭和55年には照明施設が取り付けられ,同57年には川和自然公園からの遊歩道も完成し,急速に観光開発が進められている。年間の入洞者は3万人以上にも及び,西毛地域の観光の拠点にもなっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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