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大洞山
【おおぼらやま】


秩父(ちちぶ)郡大滝村と山梨県北都留(きたつる)郡丹波山(たばやま)村との境界にある山。標高2,069m。秩父多摩国立公園のうち。雲取山の西方約7kmに位置し,秩父山地主脈を北西(将監(しようげん)峠方面)と北東(雲取山方面)とに分け,南へ前飛竜山から御坂・岩岳尾根を分岐する。多摩川支流後出川(ゴンゲン谷)や一之瀬川(大常木谷)と荒川の支流大洞川(椹(さわら)谷)の分水嶺。地質は,中生代の大滝層群に属し,主にチャートからなり,コメツガ・トウヒなどの針葉樹の原生林におおわれている。大洞山は埼玉県側での呼称で,山梨県側では,文明12年6月小菅遠江守信景の建立にかかるという飛竜権現社が祀ってある所から飛竜山と称する(甲斐国誌)。3等三角点のある山頂付近にはシャクナゲの群落があり,6月の中頃には開花する。また縦走路から少しはずれた禿岩は好展望台となっており,富士山や奥秩父が望める。この山の最初の登山は,明治45年に田部重治・中村清太郎両氏による。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7048195