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霧藻ケ峰
【きりもがみね】


秩父(ちちぶ)郡大滝村東部にある山。標高1,523m。秩父多摩国立公園のうち。三峰(みつみね)山より雲取山方向へ約5kmの三峰山稜上に位置する。荒川支流の大洞(おおぼら)川と大血(おおち)川の分水嶺。地質はチャートで,ミズナラの群落がみられる。かつては黒岩山と呼ばれたが,大正11年に秩父宮殿下・同妃殿下が,この山に登り,針葉樹に繁茂するサルオガセ(霧藻)が霧にゆれているのを見て,霧藻ケ峰と命名された。山頂付近のチャートの岩頭に殿下のレリーフを掲げ,昭和29年に殿下を迎えて除幕式が秩父山岳連盟の手によって行われた。山頂を北に下った所を地蔵峠(蛭ケ峠(ひるがとうげ))といい,「新編武蔵」の蛭ケ嶽はこの山かとも考えられる。南に下った前白岩山との鞍部をお経平(経文を埋めたという伝説あり)というなど仏教に因縁深き地を感じさせる。7月1日には秩父宮殿下のレリーフの前で奥秩父山開きが行われる。三峰・雲取自然研究路の途中でもあり,登山者は多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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