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櫛挽台地
【くしびきだいち】


県北部に広がる洪積台地。荒川が八王子構造線の東部に堆積した荒川扇状地の主要部である。荒川扇状地は荒川によって開析され,南部と北部に分かれるが,櫛挽台地は北の部分である。西は藤治川,北から東は大里郡岡部町から深谷(ふかや)市・熊谷(くまがや)市三ケ尻(みかじり)にわたる崖線によって限られている。台地面の傾斜は平均200分の1と緩く平坦であるが,台地面は2つの段丘面に分けることができる。高い方が櫛挽台地の主体をなし,県立寄居高校付近で下位段丘と約10mの比高をもち,表層には2~3mの関東ローム層が被覆し,その下に段丘礫層が分布している。第2次大戦前までは,赤松林を含む雑木林が広く分布し,櫛挽ケ原と呼ばれていた。第2次大戦末期にここに東京第2陸軍造兵廠櫛挽製造所が設立され,戦後は県営開拓地として開墾事業が推進され,現在は道路・用排水路が整備され,防風林に囲まれた整然とした農業地帯になっている。昭和49年には埼玉県花植木センターも開設され,第2の安行(あんぎよう)を目指して,花木生産が盛んである。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7049065