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熊倉山
【くまくらやま】


秩父(ちちぶ)郡の大滝村と荒川村の境にある山。標高1,427m。奥秩父山地主脈上の西谷山から北西に伸びる尾根上にあり,秩父多摩国立公園と県立武甲自然公園にまたがる。地質は秩父古生層の砂岩・チャート・輝緑凝灰岩などからなり,かつて金鉱を採掘したこともある。以前は苔むした原生林におおわれていたが,山頂付近を除いて伐採され,スギ・ヒノキ等が植林されている。この山には秩父では珍しいアセビの原生林やイワカガミの群落があり,山頂近くのチャートの大岩壁にはヒカゲツツジ・セキコク等の岩壁植地群落もある。山麓には戦国期に長尾意玄入道が砦を構えた城山や,谷津川鉱泉・鹿ノ湯・熊倉高原キャンプ場のほか,秩父観音霊場30番宝雲寺がある。山開きは毎年4月29日に行われ,麓の白久(しろく)駅から約4時間で山頂に達する。山頂はあまり展望はきかないが,山頂の南に日本武尊が眺めの美しさにしばし足を止めたと伝えられる展望台があり,奥秩父の山々や八ケ岳を眺めることができる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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