100辞書・辞典一括検索

JLogos

16

甲武信岳
【こぶしだけ】


秩父(ちちぶ)郡大滝村と山梨県東山梨郡三富(みとみ)村および長野県南佐久郡川上村の3県の境界をなす山。標高2,470m。秩父多摩国立公園のうち。奥秩父山地主脈上の中央に位置し,西に千曲(ちくま)川,南に笛吹川,東に荒川の各源流をもち,本州の分水嶺となっている。地質は,花崗岩(山体),玢岩(ひんがん)(山頂)からなり,コメツガ・シラビソ・トウヒなどの針葉樹の原生林でおおわれ,その樹下を埋めるようにアズマシャクナゲの群落がある。山名は,甲斐・武蔵・信濃の3国にまたがる所からその1字ずつをとったといわれ,山梨県では三国(さんごく),群馬県浜平では大三国(おおみくに)と名付けている(原全教:奥秩父)。あまり広くない山頂には三角点はないが,方位盤があり,展望はまことに雄大で,秩父山地の山々はもちろん,八ケ岳・南アルプス・富士山などを見渡せる。南東側標高2,400mの肩にある甲武信小屋は奥秩父の最も重要な山小屋で,4月末から11月末と年末・年始に管理人が常駐する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7049314