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志多見砂丘
【しだみさきゅう】


加須(かぞ)市と羽生(はにう)市の境界付近,志多見にある会ノ川の河畔砂丘。会ノ川は利根(とね)川の幹川で,満々たる水をたたえ,砂礫の運搬供給が激しく,かつしばしば洪水を繰り返し,流路沿いに顕著な自然堤防を形成した。文禄3年に羽生市川俣(かわまた)で締切られると,河床は著しい水量の低下を見,ほとんど廃川同様になり,河床に堆積した砂は冬の季節風(赤城颪(あかぎおろし))によって吹き上げられ,自然堤防上に砂丘が形成されたものと考えられる。東西3kmにわたって発達した志多見砂丘は,周りの水田から4~5m突き出て,かつてはアカマツにおおわれていた。しかし,近年の建設ブームの影響を受けて,砂利の乱掘が進み,貴重な学術資源として価値が高い砂丘が破壊されてきた。そこで,県では昭和50年に自然保護地区に指定して,この砂丘の保護に努めている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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