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二子山
【ふたごやま】


秩父(ちちぶ)郡小鹿野(おがの)町と群馬県多野郡中里村との県境にある山。赤平(あかびら)川の支流仁平沢の源頭にそびえる岩峰で,東岳(標高1,100m)・西岳(標高1,166m)の2つの峰からなり,「新編武蔵」に「山の形文字の如く相並べり」とある。古生代石灰岩からなり,秩父地方唯一の石炭紀の紡錘虫化石を産出する。山腹には小規模な鍾乳洞があり,「郡村誌」に「半腹に洞穴あり,深八間,縦六間,横五間,日本武尊を祭る」とある。また植物も石灰岩に結びついたものに特色があり,チチブヒョウタンボク・チチブミネバリ・イワウラジロなどのほか,この山の特産種であるキバナコウリンカなど貴重な植物を産する。山頂へは,志賀坂峠行きバスで二子山登山口下車,約1時間で東岳・西岳の鞍部の股峠に達し,峠から西岳山頂まで40分である。5月上旬のヤシオツツジ,10月中旬の紅葉は美しく,明るい岩尾根歩きを楽しむことができる。近年,岩登りの練習場としても注目されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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