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三国山
【みくにやま】


秩父(ちちぶ)郡大滝村・長野県南佐久郡川上村・群馬県多野郡上野村の3県の境界をなす。標高1,828m。秩父多摩国立公園のうち。新三国峠より北約1kmに位置し,東へ松尾尾根,西へ御陵山および十石峠方面への尾根,南へ十文字峠への三国尾根,北へ高水山から天丸山へ続く尾根と四方に尾根を分岐する。荒川支流の中津川の源流,千曲(ちくま)川支流の二本木沢,利根(とね)川支流の神流(かんな)川の源流の分水嶺。地質は,秩父古生層のチャートや砂岩からなり,埼玉県側はコメツガ・トウヒなどの針葉樹とブナ・カエデなどの広葉樹の混交林におおわれ,長野県側は草地となっている。中津川では松尾坂の頭または松尾山と呼び,長野県梓山では二本木の頭,群馬県浜平では小三国と呼ぶ(原全教:奥秩父)。山頂より北へ下った所に旧三国峠があり,十文字峠の脇往還路であったが,通行量はほとんどなく,中津川村と梓山村を結ぶ間道にすぎなかった(新編武蔵)。今は有料道路中津川林道ができ,新三国峠を車で往来することもできるようになったが,登山者もなく静寂を保っている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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