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猪鼻台
【いのはなだい】


亥鼻台とも書く。千葉市西部の県庁の東側にある台地。下総台地が千葉市の沖積平野に突き出たもので,標高20m前後。砂を主とする海成の洪積層である成田層と,その表面を覆う関東ローム層からなる。先端部である台地西部には猪鼻城址や縄文時代後期の猪鼻貝塚があり,台地北西下の「お茶の水」とともに市立亥鼻公園になっている。台地中央部の旧千葉大付属病院敷地内にある七天王塚は,7つの塚が北斗七星のように散在し,妙見信仰を奉じた平氏や千葉氏に関係が深いものとされるが,ほかに平将門と6人の影武者の墓とも,将門兄弟7人の墓,あるいは将門派の興世王など7人の協力者の墓ともいわれる。台地東部には農林水産省の畜産試験場がある。同試験場は大正8年の開設で面積は56ha,馬や牛が飼育されている。場内にある舟田池は,猪鼻城の武士たちが馬を洗ったと伝えられている。同試験場東端には古墳時代末期と推定される横穴式石室があり,荒久古墳と呼ばれ市遺跡。台地北辺には矢作(やはぎ)堰の用水路が通る。これは慶長18年寒川村の豪農が仁戸名(にとな)村に私財を投じてつくった堰(幅2.6m・長さ5.5km)で,寒川・今井方面の水田を潤した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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