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鯛ノ浦
【たいのうら】


妙ノ浦とも書く。県南部,内浦湾東側の天津小湊町誕生寺門前から南の入道ケ岬沖合いの海をいう。鯛の群生地として知られ,大正11年国の天然記念物に指定。日蓮誕生のとき鯛が集まり波間をはねて祝ったといわれ,日蓮が船を浮かべて払子(ほつす)で海の上に「南無妙法蓮華経」と書くと鯛が集まってその文字を飲み込んだとも伝えられ,日蓮ゆかりの聖地として沿岸漁民が殺生禁断,給餌の約束をし保護してきた。「房総志料」では,鯛ノ浦にある大弁天島・小弁天島の弁才天が魚を惜しみ,当地で魚を捕らえる者は必ず病になるといったため,漁師は恐れて小魚を海中に投じ,鯛などの魚が集まるようになったと伝えられている。鯛ノ浦には現在小湊港より遊覧船が出,船頭が船縁をたたき餌をまくと鯛が集まる。そのほか鯛の飼育や日蓮生誕を解説した展示館があり,南房総国定公園の中心的位置を占めている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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