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千草の浜
【ちぐさのはま】


富津(ふつつ)市の浦賀水道に臨んだ海岸。富津州より磯根崎に至る弓状の砂浜海岸で,古くは千種の浜といった。また千草の浦ともいう。海岸線と並行に青松が続き,穏やかな海を隔てて観音崎(神奈川県横須賀市)と相対し,遠く武相の連山,富士の秀峰,大島の噴煙などが望める。風光明媚のため,古来より歌名所として知られ,数多くの歌が詠まれ,「咲匂ふ千種の浦のしほ風に春はいろいろのなみぞ寄せ来る 法印定円」「いろいろの貝ありてこそひろはるれ千種の浜をあさるまにまに 読み人しらず」(夫木抄)などがある。海岸一帯はノリの養殖が盛んで,南の磯根崎の付け根にある大貫漁港はノリの水揚げが多い。また歌にも詠まれているように,砂浜には数多くの貝が見られ,その数60種に及ぶ。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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