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富山
【とみさん】


富山町のほぼ中央部にそびえる山。標高349.5m。穏やかな山容の草山であるが,登山道の杉・松・クスなどの並木と山頂の森は美林をなしている。山名は房州開拓の祖とされる天富命にちなむ。滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」の舞台として知られる。山頂は北の金毘羅峰と南の観音峰の2峰に分かれ,その鞍部を下った谷に里見義実の娘伏姫と妖犬八房が籠ったと伝えられる洞窟や犬塚がある。いまは仮観音堂と仁王門,その境内の石仏などが往時をしのばせるだけであるが,西麓の西参道の登り口には,かつて2合目付近にあったという本堂があり,これらを合わせて富山福満寺と称している。慶応年間には館山城主里見義康の祈願寺とされていた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7055906