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三舟山
【みふねやま】


富津市・君津市の境界に位置する山名。標高138.7m。台地状の山容を示し,北方に小糸川下流の平野,西方に富津岬を望む。三船山とも書き,三船台ともいう。いわゆる三船山合戦の古戦場。永禄7年,第2次国府台合戦で小田原北条氏に大敗した安房の里見義堯・義弘父子は,一時期,上総国内に勢力を失ったが,永禄9年頃までには,久留里(君津市久留里)・佐貫(富津市佐貫)両城付近まで勢力を回復していた。永禄9~10年には,上杉謙信が上野に出兵し,関東の情勢は騒然たるものがあったが,永禄10年4月,謙信が越後に帰陣して,小康を得ると,北条氏政は再び里見氏攻略を企図した。同年8月,氏政は武蔵岩槻城主太田氏資を先鋒として当山に布陣,義弘と相対した。一方,北条氏照も真里谷方面から義堯の籠る久留里城に迫った。8月下旬(あるいは9月初め),氏政と義弘は合戦,太田氏資は討死,北条氏政・氏照は小田原に退却した。「里見代々記」によれば,この合戦の死傷者は両軍で2,000余名にのぼったという。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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