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愛宕山
【あたごやま】


港区芝愛宕1丁目にある山。標高26m。武蔵野台地末端の小丘。江戸期は江戸城に近く虎ノ門(とらのもん)・御成門(おなりもん)の間に位置する。山上に愛宕神社があり,正面の男坂は講談・浪曲の「寛永三馬術」の舞台。江戸から明治期にかけては東は東京湾から市中をのぞむ眺望にすぐれ,雪月花の名所とされた。「江戸名所」に「懸岸壁立して空を凌ぎ,……見落ろせば三条九陌の万戸千門は,甍をつらねて所せく,海水は渺焉とひらけて,千里の風光を貯え,尤も美景の地」と見え,茶店も並んでいた。明治5年,山下の海岸に土堤を築き,そこに鉄道が通った。鉄道唱歌に「愛宕の山に入りのこる月を旅路の友として」とある。また桜田門外の変の水戸浪士結集の碑がある。大正14年,山頂にわが国最初の放送局が開設され,ラジオ放送が開始された。現在は放送博物館となる。昭和7年山の下にトンネルが開通。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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