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姥が池
【うばがいけ】


浅草寺子院の妙音院の庭にあった池。現在の台東区花川戸1丁目のうち。江戸期には隅田川に通ずるほどの大池であったが,次第に小さくなり,明治24年埋め立てられ町屋となる。現在花川戸2丁目の遊園地に庭池として名残をとどめており,埋め立てられた跡には旧跡の碑が建てられている。姥が池にまつわる伝説には,荒野の一軒家に住む老婆が娘の連れてくる旅人を石の枕で殺しては所持品を奪う悪業を行っていたが,観音が稚児となって泊まったとき,娘は稚児の身代わりとなって石の枕に寝て,老婆に殺され,老婆が愕然として悪業を悔い改めるという観音利生譚がある。姥が池はこの老婆が身を投げたところだともいわれる。また「廻国雑記」にもこれとよく似た話があり,「江戸名所」では石枕(いしのまくら)としてこの話を載せている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7058880