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大岳山
【おおたけさん】


奥多摩町南端と檜原(ひのはら)村北端との境にある山。大嶽山とも書く。標高1,266.9m。秩父多摩(ちちぶたま)国立公園のうち。御岳(みたけ)山に続く山容の南西にあり,東京都を代表する名山。古くから山岳信仰の山として知られた。山頂は神官の冠に似ていると称され,特異な形状で識別しやすく,「武蔵通誌」に「両総地方(千葉県)ニテ武蔵ノ鍋冠山ト称シ,海路ノ目標トナス」とあり,相模湾での相州大山(おおやま)と同じ役割を東京湾で果たしていた。北多摩では,この峰の雲のかかりかたにより天候を占ったといわれ,近在の「棒打歌」にも歌われている。山頂は2等三角点があり展望に優れ,その南側には江戸城の鎮護の祈願所で朱印社領15石であった大嶽神社がある。山の東は養沢川を発し,大岳鍾乳洞がある。北は登山口の海沢(うなざわ)で多摩川の上流となり,この川筋は古くから杉の良材の産地として知られる。西は北秋川の支流神戸(かのと)川の水源となり,奇岩神戸岩がある。御岳山から縦走路が入り,北東へ鋸(のこぎり)尾根,南西は馬頭刈(ばずかり)尾根に通じる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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