100辞書・辞典一括検索

JLogos

33

火山列島
【かざんれっとう】


小笠原諸島を形成する列島の1つ。硫黄(いおう)列島ともいう。硫黄島・北硫黄島・南硫黄島と付属する小島からなる。その位置は北緯24度14分~25度26分・東経141度16分~141度27分の間をいい,小笠原諸島中で一番南にある。文久元年水野忠徳一行が小笠原島調査の折,火山列島まで南下し,3硫黄島を確認。明治24年正式に日本領となり,同28年硫黄島に1戸・6人,同34年北硫黄島に31戸・112人の最初の移住者が記録された(南硫黄島は最初から無人島)。大正3年に世話掛設置概則を施行し,全島の区域を硫黄島村1村として世話掛を置いた。さらに昭和15年には町村制が施行され,硫黄島は硫黄島村に,また北硫黄島・南硫黄島は小笠原支庁の直轄となった。日本本土との定期航路は明治32年以降,年に1回(6月)700トン以上の汽船が1日がかりで3硫黄島に寄航。列島の人口は明治38年222人,同43年415人,大正4年891人,同14年1,152人,昭和8年1,192人,同15年1,154人。産業は,甘蔗・バナナ・蔬菜類・薬用植物・牧畜・水産業と多方面にわたっていたが,太平洋戦争の激化により昭和19年4月以降島民の本土への強制疎開が開始され,7月までの間に島民1,254人中1,094人が疎開を完了。翌20年米軍の占領の後,アメリカの施設下に入り,昭和43年の小笠原諸島返還後の現在は硫黄島に海上自衛隊硫黄島航空基地分遣隊が駐屯するのみである(小笠原島記事拾遺・小笠原島志・小笠原墓参実施報告書)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7059488