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神津島
【こうづしま】


東京の南約180kmにある伊豆諸島の島。東西4km・南北6km・面積19km(^2)の火山島。上津島(続日本後紀・八丈実記),神集島(三宅記)とも書く。標高574.2mの天上(てんじよう)山は島内で最も高く,その西斜面を神津沢が流れる。集落は島の西岸,神津沢河口に集中。伊豆諸島中,最も簡易水道の設備が整っている。古くから漁業も盛んであったが,自然の景観に恵まれ,また流人墓地などの史跡も多いことから,近年観光事業の比重が大きくなった。集落内には,村役場・神津高校・神津中学校・神津小学校などがある。集落の北に物忌奈命神社・南に浄土宗濤響寺・集落北部の長浜海岸には阿波命神社がある。阿波命神社は,物忌奈命神社とともに本島開祖の神社で,境内の地は都史跡,例祭は4月15日。神社周囲は「続日本後紀」に記された姿を今に残す。濤響寺は浄土宗伊豆下田海善寺末,寛永年間休山和尚の開基で,現在の寺は文化元年,島民の労役により完成したという。寺の南側には江戸時代の宗門禁止等により流刑された人々の流人塚,また,キリスト教徒で朝鮮の娘オタワ・ジュリアの殉教供養碑といわれる墓石がたつ。西南の海岸には都営のヘリポート(昭和41年完成),南端の海岸は多幸(たこう)湾と並ぶ景勝地で,付近は飛行場建設予定地。西寄りに神津島無人灯台がある。島東岸の多幸湾は島内の景勝地として知られる。島の東海上には祇苗島(ただなえじま)がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7060458