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駒場野
【こまばの】


目黒区北部にあった原野名。現在の駒場周辺。江戸期の上目黒(かみめぐろ)村内。享保期以後は幕府の御鷹場とされ,広さ15万坪,諸役御免の地であった(新編武蔵)。鳥見役所が置かれ,この地ばかりでなく目黒方面の御鷹場全体を管轄。「権兵衛がたねまきゃ烏がほじくる,三度に一度は追わずばなるまい」という里謡は,同役所の餌付御用をつとめる綱差(つなさし)で,キジ取りの名人川井権兵衛をうたったものという(目黒区史)。また薬園も作られ,幕末には字三角に幕府陸軍の洋式調練場(約52ha)が設けられた。駒場という地名は明治期~昭和7年まで上目黒の小字,のち目黒区の町名駒場町となり,現在に引き継がれている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7060650