100辞書・辞典一括検索

JLogos

27

不忍池
【しのばずのいけ】


台東区上野公園の西南部にある池。周囲約2km。かつてこのあたりが東京湾の入江であった頃の名残で,寛永2年天海僧正が上野の丘(忍が岡)に徳川家の菩提寺の寛永寺を建立した際,京都の比叡山にならって山号を東叡山とし,この池を琵琶(びわ)湖に見立てて池中に竹生(ちくぶ)島になぞらえた中島(なかのしま)を築造,弁天堂を創設した。不忍池という名称は,忍が岡に対するものであろうが,その由来については異説も多い。また古くは篠輪津(しのわづ)とも称し,それは篠が生い茂って輪のように池をめぐっていたからであろうという(神代余波)。ハスの名所として知られ,江戸・東京人の遊覧地,文人墨客の集まる所として親しまれてきた。明治~大正期には内国勧業博覧会が開かれ,池畔には市電が通っていた。現在,池の北側は上野動物園分園の水上動物園で,西側はボート池になっている。また南岸には水上音楽堂があり,7月中旬から1か月間,そこを中心にして江戸趣味納涼大会が催される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7061082