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利島
【としま】


東京の南約150km,大島の南27kmにある島。面積約4.2km(^2)。宮塚(みやつか)山によって形成された円錐状の火山島で,全島緑におおわれている。周囲は200mの海食崖で,港がなく,前浜にハシケの着く船着場が1か所あるにすぎない。水に乏しく,現在でも水飢饉に襲われることがある。ツバキ油を産す。南部の断崖にオオミズナギドリが生息する。集落は宮塚山の緩やかな北斜面に立地し,村役場・利島小学校・利島中学校・勤労福祉会館がある。小学校の西に日蓮宗長久寺,村役場の南に堂山神社,村役場の北都道沿いに浜宮神社,島の南端には阿豆佐和気命神社,その東に小山神社がある。長久寺は永正年間に日想が開創,堂山神社は境内から出土した18面の銅鏡(都文化財)を奉納。阿豆佐和気命神社(通称明神さま)は利島の氏神で,古式にのっとる流鏑馬の神事が伝わり,都無形民俗文化財に指定されている。また,島の北西部を流れる蛇洞沢の河口流域に大石山遺跡,その北側にヘリポート,南側にはケッケイ山遺跡がある。前浜と大島の波浮(はぶ)港・元町港間を定期大型船のほか,新たに村営船「としま」が昭和53年4月より就航している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7062690